2023年11月22日
【プロが教える】名刺の基本レイアウトとデザインのコツ
「起業して名刺が必要だけれど、自分で作ろうとしたら見栄えが良くないな…」
「アピールしたいことを入れたらごちゃごちゃしてきた…」
「きれいで素敵な名刺ってどうやって作るの?」
こんにちは、コトハジメ。デザイナーの金野です。
名刺って簡単に作れそうなイメージがありますが、作ってみると意外と難しいものです。
見やすくわかりやすく、バランスの取れた名刺をデザインするにはルールやコツがあります。
今回は、名刺の基本レイアウトやデザインのコツなど
名刺作りで抑えておきたいポイントをご紹介いたします。
名刺の役割について
そもそも名刺は何のために必要でしょうか。
ビジネスシーンなどで出会った人と自己紹介をするため
自分を知ってもらうため
に必要なツールですね。
会社名、氏名、連絡先などのプロフィール情報をお互いに確認し
相手との信頼関係を築く第一歩となる重要な役割を果たすのが名刺です。
名刺の情報から話しが弾むことも多く、
初対面でも和やかに会話をはじめるきっかけになったりします。
だからこそ名刺は、
「相手にどんなことを伝えたいのか」「どんな印象を持ってもらいたいのか」を
考えた上でデザインすることが大切です。
名刺の役割を理解した上でデザインを行うと
その人の仕事への姿勢や人柄がより伝わる名刺になっていきます。
名刺のレイアウトを行う流れ
最初に大まかなデザインを決める
名刺制作をはじめる前に、どんな名刺を作るか大まかにデザインを決めてみましょう。
決めていくポイントは3つです。
①名刺のサイズと形状
最初に名刺のサイズを決めましょう。
日本では4号サイズと呼ばれる55×91mmのサイズが一般的な名刺サイズになります。
名刺交換をする機会が多い方は、こちらのサイズをよく目にすると思います。
少し小ぶりな名刺がお好みでしたら、ひと回り小さい51×89mmの「欧米サイズ」と呼ばれるものや
女性用名刺として利用される小さく可愛らしい3号サイズ(49×85mm)の名刺もあります。
一般的な名刺よりも小さめで、お洒落さやクリエイティブな雰囲気を出しやすいことから
欧米サイズや女性名刺サイズを選ぶ方もいらっしゃいます。
他にも正方形や丸型、三角形など特殊な形状の名刺を作成することも可能です。
汎用性の高い名刺にするか、個性を強調したインパクトある名刺にするか、
サイズと形状だけでも印象を大きく変えることができます。
②縦型か横型か
名刺は主に縦型と横型の2タイプがあります。
近年は横型の名刺が採用されることが多く主流になっています。
縦型と横型の名刺には、それぞれメリット・デメリットがあるので
業種や好みに合わせて選んでみてはいかがでしょう。
縦型名刺の特徴
古くから日本で使われてきた縦型・縦書きの名刺は、堅めの印象があるフォーマルな名刺となります。
慶弔用として縦型・縦書きの名刺を作る役員や代表の方も少なくありません。
堅実な印象を与えるため、信頼性や誠実性を求められる業種の方におすすめです。
また、明朝体フォントと相性が良く、和の雰囲気があることから
伝統的な老舗や日本文化に関わる業種の方の名刺にも適しています。
縦型名刺のデメリットは、英数字が縦書きにすると読みづらくなること。
TEL、FAX、URL、E-mailなどを載せる際は、文字を回転させたり字間のバランスを取るなど
美しく見せる工夫が必要になります。
横型名刺の特徴
現在は横型の名刺が主流となっています。
全体のバランスが取りやすく、長い住所やメールアドレスなどの英文もレイアウトしやすいのが特徴です。
漢字、カタカナ、英数字など、すべての文字が同じ方向に並んぶため
視認性がよく可読性にも優れています。
横型名刺は、主流だからこそ他の名刺に埋もれやすく目立ちにくいというデメリットもありますが
デザインや配色などでオリジナリティを持たせることは十分可能です。
デザイン、レイアウトにおいても、縦型名刺よりアレンジが豊富にできることも魅力です。
③片面印刷か両面印刷か
名刺は片面だけでなく、両面の印刷もできます。
例えば、おもて面には会社名、氏名、連絡先などの基本情報を入れて
うら面には事業内容や実績を載せるという使い方もできます。
両面印刷にする場合は、作業工程が増えるため片面印刷よりも少し費用がかかります。
ですが、うら面を利用してスペースを有効活用することで
相手にわかりやすく、より多くの情報をアピールすることができるならば
検討してみる価値はありそうです。
名刺に載せる情報を整理する
名刺のデザインやレイアウトに入る前に、
名刺に載せる情報をあらかじめ整理しておくとスムーズに制作ができます。
名刺に載せる情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
載せるべき主な情報
・会社名
・氏名(難しい漢字にはルビも)
・役職
・郵便番号と住所
・電話番号、FAX
・メールアドレス
・URL
補足情報
・会社のロゴ
・QRコード
・顔写真
・会社情報や企業理念
・自社サービスの紹介
・実績、受賞歴など
これらをすべて入れた名刺が良い名刺とは限りません。
限られたスペースに情報を詰め込みすぎると雑然としてしまうので
載せたい情報が多い場合は、基本情報のみをおもて面に、補足情報をうら面に、
というような工夫をしてみましょう。
内容を取捨選択して本当に伝えたいことを明確にすることも大切です。
これまで受け取った名刺や今使用している名刺を見直してみると
どのくらいの情報量を入れるべきかイメージがしやすいのではないでしょうか。
名刺の基本レイアウト 5つのポイント
見やすくわかりやすい名刺を作るには、いくつかのルールやポイントがあります。
ここでは、名刺の基本レイアウトについて意識したい5つのポイントをご紹介します。
①近い要素の情報をまとめて配置する
氏名と役職など、近い要素を持った情報同士をまとめて配置すると
名刺の内容を認識しやすくなります。
具体的には、以下のようにまとめられます。
会社名(店舗名)・ロゴマーク
役職・氏名
住所・電話番号・メールアドレス・URLなど
それぞれを1ブロックとしてレイアウトを考えることで、全体のバランスが取りやすくなり、
まとまりのあるデザインになります。
例
②文字揃えを活用
美しいレイアウトを作るためには、文字揃えがとても重要です。
文字揃えとは、行のはじめや終わりを揃えて配置することで、主に4パターンあります。
左揃え(行の左端を揃える)
横型名刺で多く選ばれるのが、左揃えのレイアウトです。
人が文字を読む際には、左上から右上、左下から右下のように「Z」の書き順で目線が移動するため
文字を左揃えにすると美しく見え視認性も高まります。
右揃え(行の右端を揃える)
個性を出したい場合は右揃えも良いでしょう。
横型の名刺で右下に住所や連絡先を配置すると、右端がカチッとまとまった印象を与えます。
中央揃え(行の中心を揃える)
中央揃えは、左右のバランスが均等になり、やわらかく親しみやすい印象を与えます。
両端揃え(文字を両端に均等に揃える)
両端揃えは字間のバランスの取り方が難しいので、名刺にはやや不向きです。
ですが、上手に取り入れることができれば、お洒落な名刺作りも可能です。
③文字の大きさとフォント選び
文字サイズの基本的な考え方は、
「大切な情報は大きく、補足情報は小さく」です。
氏名や会社名など大切な情報は、大きめの文字で、住所や連絡先などは小さめにすると
パッと見て大切な情報がひと目でわかる名刺になります。
また、フォント選びも重要です。
フォントによっては、「堅実」「カジュアル」「女性的」など
与える印象が大きく変わってきます。
ゴシック体や明朝体でもイメージが多少変わるので
社風や印象付けたいイメージに合ったフォント選びが重要です。
名刺のフォントは1種類に統一した方がすっきりしますが、
英数字が読みづらいフォントもあるので、
その場合は、英数字だけを別のフォントに変更するのもおすすめです。
また、企業理念など強調したい文字だけを別のフォントに変えて目立たせることも可能です。
④ロゴマークや会社名の位置
会社のロゴマークを載せる場合は、目線を集めやすい目立つ位置にレイアウトするようにしましょう。
ロゴマークは、企業やブランドイメージ、コンセプトなどを表現するため強いアピール力があります。
基本的にロゴマークは、会社名とセットで配置することが多いですが、
大胆にアピールしたい場合は、ロゴマーク単体でレイアウトするのもおすすめです。
ロゴマークのまわりにたっぷり余白を取るなど、余白を活かしたレイアウトにすると
お洒落な印象にすることができます。
⑤余白で印象が変わる
名刺デザインにおいて余白の取り方は、大きく印象が変わる重要なポイントになります。
どのように余白を取るかで、情報の伝わりやすさも変わってきます。
洗練されたデザインを求めるなら、余白は十分に取ることが大切です。
見た目の美しさはもちろん、余白によって文字が強調されるので情報が印象付けやすくなります。
また、行間や字間のバランスにも気を配ります。
パッと見たときに美しいと感じるようバランスを調整しましょう。
名刺の色の選び方
名刺で使用する色数は、3色以内に抑えるときれいにまとまります。
3色以上使用しても問題はないですがバランスを取ることが難しくなり煩雑な印象になりがちです。
落ち着きのある雰囲気を出したい場合は1~2色、
ポップな印象にしたい場合は3色を目安にするのがおすすめです。
また、色にはイメージや感情を連想させる力があるので
企業やブランドのイメージ、女性らしいカラーなど、
印象付けたいイメージを効果的にデザインに活用すると良いでしょう。
まとめ
名刺は限られた小さなスペースですが、デザインするとなると意外と難しいものです。
アイデアがまったくない状態からデザインするのは難しいので
どんな名刺を作りたいか、これまでに受け取った名刺やWebサイトなどで
名刺デザインをチェックしてイメージを膨らませてみましょう。
同業種の名刺デザインの傾向をリサーチして色使いやレイアウトの参考にするのもおすすめです。
「コトハジメ。」では、起業女性向けの名刺制作の他、ホームページやロゴ制作も手掛けています。
デザインでお困りごとがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。